チャーチチェア

チャーチチェア

初めてアンティークを購入しようと思うときに、大きいものから購入するのは不安だと思います。私も同じだったので、気持ちがよくわかります。

もちろん、最初に大きい家具を信頼できるアンティーク家具屋さんで購入することが出来た方は、そこからアンティークの魅力にハマっていくと思うのですが、もし、大きいものが怖かったら、小さな家具の中でおススメなのが、椅子です。

気軽に使えて、いくつあっても意外に便利に使えるのもアンティークの椅子です。ここでは、初めてのアンティークにおススメの椅子をご紹介します。

カフェなどで使われることも多い、教会で使われていたアンティークの椅子が、チャーチチェアやチャペルチェアです。

チャーチチェアやチャペルチェア

私がアンティークデビューしたのも、この、チャーチチェアからでした。今でこそ、いろんなお店、特にオシャレなカフェなどで見かけるようになりましたが、当時は、まだ知られてもいなくて「なんだろう??この形の椅子は?」と思ったものです。

チャーチチェアは、チャペルチェアとも呼ばれて、名前の通り、教会や礼拝堂で使われていた椅子のことです。背中にポケットが付いているものが多いのですが、そこに昔、聖書を入れて使っていました。教会によって、いろいろな形のものがあるのでコレクションするだけでも面白いんです。

素朴なデザインでいながら、お尻の部分や太ももの部分は、座りやすいように「座繰り」と言って、丁寧に繰りぬいてあるので、板座の椅子ですが長時間座っていても疲れないんです。

きっと、ここに座って、教会でお話が聞いていられるためだったのかな??座りにくかったら、落ち着いてお祈り出来ないですもんね(笑)

教会を解体するときに、まとめてアンティークモールに登場します。

そんなチャーチチェアは、教会を解体した時、まとめて何十脚という形でマーケットに売られます。教会を解体?って、意外な感じがするのですが、最近は英国でも日曜日ごとに教会に通う人がだんだん少なくなってきているらしく、実は、取り壊される教会も少なくないんです。

私たちが買い付けてくるときにも、取り壊された教会、1つ分丸ごと!という感じで、お揃いのチャーチチェアが、何十脚も山積みになっているのを見つけて「こんなに要らないから」と、その中から10脚ずつお揃いで買い付けてくるというのが普通でした。

・・・が、最近は、チャペルチェアは全然見つかりません。ちょっと前までは、何十脚と山積みだったのに、今では、同じものが見つかっても10脚程度。1脚、2脚ということも多いです。しかも、価格も高額!以前の1.5倍から2倍くらいの価格になっているので、これ以上高額になったら、そろそろ買い付けることも出来ないな・・・と思っています。

解体される教会もなくなってきたことも1つの原因ですが、日本のカフェブームで爆発的に人気になったことで、日本人が買い占めてしまい、絶対量も減ってしまったんだとか・・・。また、最近では、韓国などのアジアの人も多く買い付けに来るらしく、まとめてドーンと買い付けされる人も多かったと話していました。

1脚で、驚くほど空気が変化する、アンティークらしい素朴感の残るチェアなので、本当に欲しい方は、ぜひ早目に自分だけのアンティークの椅子、チャペルチェアを見つけて下さいね。

気を付けなければいけないのは、そのまま使うと大抵グラグラなので、しっかり修復してあるものを選ぶことです。
たかが椅子、されど椅子。
実は、チェアは、一番修復がムズカシイのです。ちょっとの違いでグラグラしたり、掛け心地が悪かったりするのが椅子。なので、DIYなどで作ろうと言われる方もいらっしゃいますが、子供の小さなスツールなど以外は、絶対にやめた方がいいと思います。

やっぱり、餅は餅屋。イスだけは、いろんなことが絡んでくるし、座って長時間過ごす場所でもあるので、専門の人が作ったものを使うようにして下さい。


板座のチェア

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