Handleのアンティーク

初めてアンティークの家具を買われる前に、私たち家具屋がお届けするアンティーク家具のこだわりのお話をします。

チャーチチェア

アンティークの家具って、初めて買う時なんだかドキドキするものだと思います。私のはじめてのアンティーク家具は、チャーチチェアだったのですが、1脚を購入するまでに

古いけれど、腐ってはいないの?
座って脚が折れることはないの??
ささくれなどでケガをすることはないの???

などなど、気になることがいっぱいありすぎて、すごく悩んだことを覚えています(笑)初めて買おうと思っている方に、私たちのアンティーク家具に対するこだわりのお話です。

ちゃんと使えなければ、アンティーク家具じゃないと思っています。

引き出し
引き出しの出し入れはもちろん、中もキレイに仕上げています。

まず、私がアンティーク家具に対して、一番こだわっている部分は「使えること」
私たちは、基本が「家具屋」なので、家具は「使えるもの」ということにこだわりがあります。

よく、海外から買い付けてきたものを、そのまま使いたいと言われる方や、現地で買い付けてきたままの状態で販売している方もいらっしゃいますが、私たちは、必ず手を加えるようにしています。

と言うのも、買い付けてきたものを、そのまま販売しているのであれば、家具屋が販売している意味がないと思っているからです。

もちろん、買い付けてきたものを、ほんのちょっと修理して販売することの方が簡単で時間もかからないし、数もこなせるのですが、やっぱり、私たちは家具屋だから、家具として、きちんと安心して使える状態にしたものだけをお送りしたいと思っています。

木製家具を専門に扱ってきた家具屋だから、こだわりたいことがあります。
こだわりたいこと

私たちは、家具屋の中でも、特に木製家具を専門に扱ってきた家具屋です。本物の木の家具というのは、家具になってからも、木が生き続けて空気を吸ったり吐いたりするので、お部屋の中の乾燥や湿気で割れたり、反ったり、膨れたり・・・いろんなことが起こるので、扱いも難しいです。それは、アンティークであっても現代の家具であっても、同じです。

お家の建材などと比べても、家具はとても精密で狂いを許しません。だから家具を取り扱う職人さんは、大工さんの大きな仕事と比べて、精密でとても細かい作業が多いです。

そんな木の家具をずっと扱ってきて、木の特徴をわかっている私たちだから、今まで培ってきたノウハウがあり、アンティーク家具を「修理」ではなく、「修復」まで行うことが出来ます。それは、やはり家具屋の「家具はきちん使えるように修復したものを」という想いからです。

なので、もし、買い付けてきたままの状態のアンティークを求めていらっしゃる方であれば、私たちHandleのアンティークは向いていませんので、ご了承下さい。

実は、アンティーク家具を買い付けしている時から、修復した後の姿を想像して、買い付けてきます。

よく「修復だけお願いできませんか?」と聞かれることがあります。
答えは「NO!出来ません」です。
だって、修復だけって、なんだか違うような気がするんです。

買い付けてくる時のアンティーク家具って、本当に汚れているんですが、その汚れているアンティークが、職人さんの手にかかると、驚くほどキレイになるんです!
それはそれは、「こんなにもキレイになったの~?!」と一瞬、面食らうくらい!

なので、買い付けの時に、私は、修復した後の状態を予測して買い付けるようにしています。

買い付けの倉庫
買い付けの倉庫で。こんな風にたくさん積みあがったものの中から、時には1個も気に入るものが見つからない時も。滞在中に、何か所も回って見つけ出します。

例えば、
「今、この引き出しは開かないけれど、ここを直せばスムーズに開くかな?」とか、
「これくらいのシミだったら、塗装を一度、剥離して、ピカピカになる!」とか
「この欠損した部分は新しく作って補充できそうかな?」とか。

買い付け時のベントウッドチェア
買い付けた時のベントウッドチェア。これが修復をした後は・・・

こんなにキレイに生まれ変わりました!
こんなにキレイに生まれ変わりました!

そうやって予測しながら買い付けているので、もし、どんなに気に入っていても、キレイにならないと判断すれば、グッと我慢をして買い付けないようにしています。

逆に、どんなに汚れていても、手を加えてキレイに直せそうだったら、買い付けてくるようにしています。

そんな風に、いろんなことを考えながら買い付けてきているので、修復が終わったあとは、私の予想通り、いや、それ以上にキレイになっているものが多くて、まるで息を吹き返したように生き生きとして、輝きはじめます。

遠路はるばる、船に乗って日本に連れてきた家具たちに対して、私たちは、きちんと責任をもって、キレイにして、家具として新たなオーナーさんのもとで輝いて欲しいな・・・と。

また、修理ではなく修復を行うため、工程が多く、時間がとてもかかります。なので、自分たちで買い付けてきたアンティーク家具だけで、いっぱいいっぱいです。

やっぱり、自分たちで買い付けてきたものでないと、どうしても感情を入れることが出来ないし、修復の予想にズレが出てしまうので、直せない部分や、予測不能なこと、また、もともとの姿を知っているオーナー様の想いと違ってくることがあるので、修復だけというのは、お断りをさせて頂いて、私たちが買い付けてきたものだけの修復にさせて頂いております。ご了承下さい。

キレイに使えるように修復しますが、新品ではありません。
年代も古いので、今の時代のものと違うことをご理解ください。

パイン材のアンティーク
パイン材のアンティークは、柔らかく傷つきやすいです。

どんなにキレイに修復しても、アンティーク家具は新品ではありません。しかも、年代も、今から80年前のものが多いです。

もちろん、キレイに修復を行いますが、キズや汚れは必ずあります。パイン材のアンティーク家具だと、ささくれや節が落ちている部分がある場合もあります。塗装も、一度、剥離を行って、仕上げていますが、どうしても色が付かない部分や、入りきらない部分などはあります。

時々、ご理解頂けない方から、もっとキレイにして欲しいと言われることがありますが、それではアンティークを使う意味がありません。アンティークとは、経年変化があることに意味があるので、なければ新品と同じです。

背面
所々、サインが入っていたりします。

ただ、実際、見られて気に入らない部分や、予測不能な部分、私たちの記載が甘かった部分などはあると思います。気に入らないものを使うことは、お客様にとっても、家具にとってもよくないとことなので、実物が到着して、気に入らない所があれば、どんな理由でも、ご返品をお受けするようにしています。

アンティーク家具は、新品ではありません。現代の家具と比べて、機能や性能は劣ります。キズや汚れも必ずあります。それを全てピカピカにお直ししてしまうと、逆にアンティークではなくなってしまいます。その点はご理解の上、不安のある方は、アンティークの購入を差し控えることをおススメします。

アンティークには現代の家具が持っていない、何とも言えない独特の魅力があります。その魅力を一度感じてみたい方は、ぜひチャレンジしてみて下さい。
世界が変わると思います!

買い付けについて

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アンティークの買い付けは、イギリスやフランスを中心に、1~2ヶ月に1度のペースで行っています。・・・続きを読む

修復について

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Handleのアンティーク家具は、風合いを大切にしたいので、修復の際は、天然のニスを使っています。・・・続きを読む